「ダークソード」(全6巻) マーガレット・ワイス&トレーシー・ヒックマン/著



あらすじ



「シムハラン」は魔法がすべてを司る世界です。
   (魔法に頼らず道具を用いることは、禁断の技とされています。)
人々は、その持つ魔力を「誕生試験」で判定され、職業も決められます。
   (火→戦士  水→治療師 大地→農耕民・職人  生命→触媒師  など)
そして、時々生まれる魔力を持たない子どもは「死者」と呼ばれ、闇に葬り去られます。

大僧正(触媒師の長)のみに伝えられた予言
「やがて王家に生まれるものあり。かの者、死して生まれ、しかして生き、再び死して、再び生を得る。かの者戻りしとき、その手に握らんものは世界の破壊...」



ある日、王家に1人の「死者」が生まれます。
「死者」はその生まれが王家であろうと殺される運命でした。


17年後、少年ジョーラムは、農村で監督官を殺して、逃亡します。
   (ジョーラムは17年前の死せる王子だったのです。)
死者たちの集落で、彼は魔力をむさぼりつくし呪文を無力にしてしまう「暗黒の剣」を鍛え上げます。
   (魔力がすべてのこの世界では、この剣の持つ意味は非常に大きいものがあります。)


そして、予言の成就に向けて、様々な人物を巻き込み、運命の輪は回っていきます...



マーガレット・ワイスとトレーシー・ヒックマンのコンビは、「ドラゴンランス」シリーズの作者として有名です。


「ダークソード」では、緻密に設定された世界*1の中で、様々な登場人物がそれぞれの考えを持って行動していきます。
   ・9つの神秘 生活のあらゆる事と結びついている
      8つの魔法(時間・霊・空気・火・大地・水・影・生命)
      第9の神秘(死):禁断のテクノロジー
   ・都市などの圧倒的な描写
      特に、魔法都市メリロン
   ・奥深い人物描写
   ・陰謀と偶然と...


全体的に暗く重いマイナーな作品ですが、読み始めたら止まらない魅力がありました。




Book Data



「ダークソード」 富士見文庫(富士見ドラゴンノベルズ)
  マーガレット・ワイス&トレーシー・ヒックマン/著 
  鎌田三平/訳(1・2)  鎌田三平&小林理子/訳(3〜6)




「ダーク・ソード 1 暗き予言の始まり」  ISBN:4829141379


「ダーク・ソード 2 暗黒の剣の誕生」  ISBN:4829141387


「ダーク・ソード 3 暗黒の王子」  ISBN:4829141395


「ダーク・ソード 4 光と闇の都市」  ISBN:4829141409


「ダーク・ソード 5 死者たちの挑戦」  ISBN:4829141417


「ダーク・ソード 6 暗黒の剣の勝利」  ISBN:4829141425


  (現在書店では注文できないようです)

*1:元々、RPGのAD&Dの世界の1つ