「闇の左手」アーシュラ・K・ル・グィン/著

 あらすじ

雪と氷の惑星「ゲセン」は、ずっと昔に放棄された人類の植民地です。
ここは、遺伝学的な実験によって生まれた、状況によって男にも女にもなれる奇妙な人々が独自の世界をつくっています。
そこに、人類の連合体エクーメンから、使節ゲンリー・アイが送られてきます。
しかし、彼に理解できない、住民の心理・風俗・習慣が大きな壁となります。
愛や友情の姿も、この世界ではまったくちがったものとなります。
そして、彼は、ゲセンの国家間の政略に巻き込まれていきます。
その中で...



ヒューゴー賞ネビュラ賞を受賞*1


雰囲気は、SFというよりファンタジーです。
私たちとちがう常識を持つ「ゲセン」という異世界が、しっかりと作られています。
その中での「普通の人間」と「両性具有の人間」との間の関係の変化が、「人間」同士の結びつきについて考えさせてくれます。


同じ時間軸の世界を舞台にした小説のシリーズがあります。


 Book Data

「闇の左手」アーシュラ・K・ル・グィン/著 小尾芙佐/訳
  早川書房(ハヤカワ文庫SF252)
  ISBN4-15-010252-X  本体価格680円(334P)




*1:どちらも、アメリカの代表的なSFの賞です